2024年10月現在までの当院の事業活動について

保険医療機関指定(2023年12月1日付け)

10月30日に関東信越厚生局東京事務所へ伺い、保険医療機関申請の届出を行いました。関東信越厚生局東京事務所では指定を受けたい月の前月10日までの申請が必要となります。無事に受理され12月1日付けで保険医療機関となることができました。

施設基準届出・受理(2023年12月1日付けで受理・算定開始)

保険医療機関申請の届け出と同時に、施設基準の届出を行い、以下の3つの施設基準について受理・算定開始された旨が12月27日に郵送にて通知されました。

  • 病理診断管理加算1
  • 悪性腫瘍病理組織標本加算
  • デジタル病理画像による病理診断

保険医療機関間連携による病理診断に関する税務上の取扱いについての事前照会

平成28年診療報酬改訂のうち「保険医療機関間の連携による病理診断(第13部病理診断 通則)」-「特掲診療料の施設基準 第84の3)」の改訂により、病理診断科を標榜する診療所でも、他の保険医療機関と連携して病理診断を行った場合に、病理診断に関する診療報酬を算定できるようになりました。

参照:日本病理学会のホームページ

https://pathology.or.jp/news/whats/message-160912.html

しかしながら、診療報酬請求については病理診断科診療所から審査支払基金や患者への直接請求ではなく、連携先の保険医療機関を通じて行い、その後合議により分配するように記載されています(診療報酬-医科-第2章 特掲診療料-第13部 病理診断-病理診断通則-6)。

従って今後、連携先医療機関と診療報酬上のルールに完全に適合した上で、医療機関間連携を行っていくに当たり、連携先医療機関と連携病理診断に関する診療報酬の分配について個々に契約を交わす必要があります。その際に、連携先医療機関から受領することとなる医業収入について、税制上(医師および歯科医師用の収支内訳書(一般用)付票あるいは所得税青色申告決算書(一般用)付票への集計・記載において)、社会保険診療報酬(消費税非課税)として扱うことができるのか、あるいは自由診療の収入等(消費税課税対象)として扱うことになるのかについての税務判断を明確に記した文書が存在しないため、当院としてはその点を明確にしてから保険医療機関間連携契約を進めていく方針として税務当局との連絡・調整を開始致しました。

具体的には開院前の2023年6月より管轄の税務署に質問・相談しましたが、税務署では明確な判断は出来かねるということで、2023年12月から東京国税局との間で税務上の取扱いに関する事前照会を文書(当院から国税局)、電話(国税局から当院)により行っております。数往復のやり取りを終えた2024年7月の段階で、照会内容について東京国税局としての見解は概ね固まり、国税庁へ上申を行う段階であるというご連絡を頂いております。当院としましては追加資料などを殆ど滞りなく提出しておりますし、2会計年度に跨がってやり取りを続けておりますので、国税庁のホームページの記載から考えまして原則的には今年度の国税の申告期限(2025年3月)までには回答が得られるものと想定しております。

“保険医療機関間の連携による病理診断料”の算定における受取側の施設基準をクリア(2024年6月1日)

当院は連携病理診断を専門とするクリニックであり、連携病理診断の開始までは自費によるセカンドオピニオン外来以外の診療(保険診療)を行いません。そのため、6か月間にわたり不正がないという条件を満たし、2024年6月1日より「保険医療機関間の連携による病理診断料」の算定に必要な受取側の施設基準をクリアいたしました。

連携に関するお問い合わせへの対応(2024年9月〜)

9月後半から、連携病理に関するお問い合わせが急増しました。東京をはじめ、茨城や埼玉など、首都圏の消化器内視鏡クリニックの先生方から幅広くご連絡をいただいております。連携することで、それぞれの先生方が求めるフォーマットでの診断記載に対応できるほか、既往標本の参照が容易になります(当院で基本的に標本を保管するため)。また、診断内容について気軽にメールや電話でお問い合わせいただけるメリットもあります。

一方、検査会社への「病理検査」の依頼では、診断医が固定されないことが多く、報告書の体裁が一貫しないことが多いです。また、疑問があっても病理医に直接連絡できないことが一般的です。さらに、診断する側としては、既往標本が添付されることがほとんどないため、前回group 2とされている病変の評価や、断端再発の疑い、他臓器癌の浸潤疑いなどに関してデメリットが生じます。

運用方法についてですが、各クリニックで現在依頼している検査会社が異なるため、ご要望をお聞きしながら、できるだけ合理的な運用方法を調整しております。病理診断に関する診療報酬は本来、病理診断科クリニックが請求すべきものであり、病理医の立場としては、それを分配の対象とするべきではないというのが原則です。しかし、連携先のクリニック様が算定できなくなる「病理判断料」や、連携病理診断を行うために発生する様式44の作成や標本送付などの労務がありますので、それらを考慮した分配割合をご提案しております。

また、検査会社によって「病理検査(病理標本作製から報告書作成まで)」から「病理標本作製のみ」に契約を変更した際の料金減額幅が異なっており、場合によっては料金が増額となるケースもあります。このような場合には、連携病理診断による診療報酬が標本作製料に吸収され、医療機関側に還元されない可能性があります。そのため、別の検査会社への切り替えや、当院で一旦検体を集め、適正価格で標本作製を行える検査会社に依頼する運用方法を検討しております。

まだ前例の少ない運用方法であり手探りの状況ではありますが、他院に先駆けて連携病理診断を共に進めていただける先生方からのご連絡をお待ちしております。

2024年10月現在までの当院の事業活動について” に対して2件のコメントがあります。

  1. まえかわかずなり より:

    思うところをコメントさせていただきます。
    そもそも、病理「検査」の発注元医療機関が検査会社に支払うのは標本作成料で発生した利益から支出されているはずなので、検査会社としては標本の作成だけを行うべきではないでしょうか。そこに、病理専門医に病理診断と同様の精度を持たせた「検査報告書」を作成させ、標本作成にサービスで報告書をつけるのが間違いだと思います。
    発注元の医療機関機関は、標本作成料の範囲内で検査会社に文字通り標本だけを作成してもらい、自分で顕微鏡をみて判断する場合は判断料を算定し、病理医に診断を委託する場合は、診断料は病理医が算定請求し、もちろんその場合は判断料など発生しない。これが本来の姿ではないでしょうか?
    現状は、発注元の医療機関は検査会社から無償で受け取った病理「検査」報告書を受取るだけで判断料まで算定できるという、美味しすぎる状況になっています。
    対策として、検査会社が病理検査を受託した場合、ガラス標本だけを結果として返すこととし、病理検査報告書を付けることが禁止されれば良いと思います。
    百歩譲って「検査報告書」を許すとしても、それは「病理診断書」ではないので、病理診断記載欄を設けることを禁止する、または所見欄にはあくまでも客観的な所見だけを記載し診断名に繋がるような解釈を含んではいけない、などの規制が必要と考えます。
    さもなくば、病理診断科クリニックの保健医療機関としての経営が成り立たないように思われます。

    1. gipc より:

      コメント頂きありがとうございます。

      ご指摘の点、病理医としての「あるべき姿(原則論)」からすれば、その憤りは痛いほどよく分かりますし、本来はそうあるべきだというお気持ちには強く共感いたします。

      ただ、実際にクリニックを開業し、現場で経営と向き合ってみますと、少し違った景色も見えてまいります。 少し長くなりますが、当院としての現状の捉え方と見解を述べさせていただきます。

      まず経営面のご懸念についてですが、生検検体主体の病理診断科クリニックは、大病院の病理部と異なり、大掛かりな設備投資や固定費が抑えられるため、現状の制度下でも十分に健全な黒字経営が可能です。むしろ、採算性の低い高度医療を担う大病院の病理の方が経営的には厳しい状況にあると思います。

      次に制度面ですが、現状は「検査」から「診断」への移行の長い過渡期(黎明期)にあると捉えています。 2008年以前の「第3部 検査」時代の名残で、現在も商習慣としての「検査報告書」が存在していますが、連携病理診断が始まったことで、検査センターにとっても「標本作製のみに集中でき、個別の物流やクレーム対応、報告書管理等の業務が減る」というメリットが生まれ、臨床医・検査センター・病理医の3者による新しいWin-Winの形が築かれつつあります。

      ご提案のように「標本作製のみとし、報告書を禁止する」というのは一つの理想形ではありますが、これを性急に行うことには大きなリスクも感じています。 現状、臨床の先生方が算定されている判断料等は、他の不採算医療行為(算定できない手技やコスト増)の補填という意味合いも含んでおり、ここを厳格に締め付けすぎると、社会保険料削減がさけばれる昨今、診療報酬全体のバランス調整として、かえって病理診断関連の診療報酬全体(特に今まで病理医への報酬を捻出してきた標本作製料)の引き下げを招く恐れがあります。そうなれば、業界全体にとって大打撃となりかねません。

      ですので、私は「禁止」による強制的な是正よりも、

      これまでの検査センター経由の「検査」を「診断」として請け負える病理診断科クリニック(受け皿)が増えること

      遠隔デジタル病理診断などの規制緩和が進み、インフラが整うこと

      これらによって、自然と「検査」から「医行為としての診断」へとシフトしていくソフトランディングが、現時点での現実解ではないかと考えています。

      「理想」には深く同意しつつも、今はまだインフラが整っていない段階です。この過渡期において、関係する3者が穏便に共存し、まずは連携病理というパイを広げていくことが、遠回りのようでいて、結果として病理診断の地位向上と業界全体の発展につながると信じています。

      貴重なご意見、改めて感謝申し上げます。

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